台風19号 D;　洪水は多面的な利益になる : CAT WILLOW

RIVER UTOPIA odate bridge 1

☆

半分半分放送局長―長野県内で最初に氾濫した川はどこか、と言うと、あの千曲川で、上田市の別所線鉄橋の上流、右岸の国分地域だ。12日夜。2017年から堤防のかさ上げ工事中の箇所だった[1]。行政は安易な考えだ。堤防の高さを上げれば、洪水対策は万全だ、というのは神話でしかないよ。
特派員―建設業者とグルですよ。

編集長―それは洪水対策というよりも住民対策だ。迫害が本当の目的だ。

アロマ―住民は、工事が早く終らなかったことを批判してる。[1]

放送局長―そう、だらだら工事を見て疑問を感じていた人だな。
編集長―その地域に洪水が流れたら、必然的に下流は流量が減る。千曲川源流の流域では異常な大雨だったことが分かる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　☆

アロマ―どんなに異常な大雨が降っても、山のキーピング・ウォーターが衰えていなければ、すぐ雨水が川に流れこんで洪水を引き起こすという事態にはならない。
放送局長―それも常識だな。小学生がよく知ってることだ。しかし、国と自治体は自然環境保護には非常にあいまいな態度だ。
編集長―そう、自然環境と都市環境が大雨に弱い。山と源流にブナなどの保水力の高い森をつくれば、大雨でも突発的な濁流にはならない。それから、都市は内水洪水を防ぐ対策としてアスファルト舗装をなるべく減らすようにしなければならない。コンクリート舗装も、そうだ。雨が適当に地中に滲みこむようにすれば、川に流れる流量を抑えることができる。
特派員―堤防の道路はレンガ敷きがいいと思いますね。美的な風景もつくり出せる。

編集長―しかし、そういう合理的な防災対策ができない国だ。

アロマ―国会と国土交通省を管理しなければ、だめね。
編集長―なぜできないか、と言うと、洪水が経済的利益になるからだ。建設会社と建設関連業者だけじゃない。住民生活の必需品が洪水でゴミになれば、関連企業がそれだけもうかる。

放送局長―水没した自動車もリサイクル商品らしいから、相当売れるよ。

特派員―日本には洪水経済論があるんじゃないか、な？こういう経験的な方法の蓄積はショッキングですよ。

放送局長―大阪商人の考え方じゃないか?

編集長―敗戦後は国内需要を高めることが重要な政策だった。極端な話、アメリカの他に日本製品を買う国がなかったから、な。アメリカにしてみれば、日本国民の民主主義生活を支えるためにはやはり消費力を高める必要があった。それで占領地に対してガリオア資金で援助した。
放送局長―中国が共産主義国になったのは経済的な大停電だったな。ところで、そのガリオア資金というのは、聞いたことがあるけど、どういう仕掛けの援助だっけ？

特派員―ウィキペディアの記事からちょっと横取りすると、〈この資金は、1947年度からは正式に陸軍省予算から計上され、1951年度まで続いた。一般的に、食糧・肥料・石油・医薬品など生活必要物資の緊急輸入という形で行われ、これらが国内で転売換金されることで資金としての性格を持った。〉まさか?!

☆

*台風19号 C; 千曲川　別所線の鉄橋崩落のミステリー

*List 9 自然　環境;平川と岩木川の洪水を推理する

1　千曲川が決壊なんて　台風１９号、被害全容見通せず
中日新聞　2019年10月14日

Filming; 2009.4.8　東バイパス　鳳凰橋上流